水温む頃、春の光を総身に浴びて管理池に釣り糸を垂れる。太公望が狙い定めた標的はヘラブナ。ノッコミ前のこの時期は元気一杯、産卵を控えて活発にエサを取る。水面に立つウキを見つめ、魚の気配を感じ取るのは埼玉県の桶川市に居を構えるヘラ釣り師、今野正明さん。「春は底を釣れ」先人の教えに導かれ、眩き銀鱗に迫りゆく。
■放送日 2023年4月16日
■タックル①
竿:14尺
道糸:1号/ヘラWサルカン ダルマ型 22号
ウキ:羽根ウキ S-1・15cm
上ハリス:0.5号 35cm/下ハリス:0.5号 42cm
ハリ:セッサ 5号
タックル②
竿:8尺
道糸:0.7号/ヘラ丸カン 白S
ウキ:羽根ウキ A-4・3.5cm
上ハリス:0.5号 7cm/下ハリス:0.4号 28cm
上バリ:金バラサ 5号/下バリ:スズへらリグル 2号
■取材協力 笠間市 友部湯崎湖
春の風に誘われ湘南を一望する相模湾・真鶴沖に船を浮かべる。穏やかな海で太公望たちが狙うのはマダイ。ノッコミには少し早いが、大物も期待できる時期。美味なる魚の王様に挑むのは泣く子も黙るハマの大魔神、元プロ野球選手、佐々木主浩さん。横浜ベイスターズを38年ぶりの優勝、日本一に導いた後、海を渡り、日米通算16年の現役生活で積み上げたセーブ数は実に381。探究心旺盛な勝負師は玄人はだしの腕前…剛腕が繰り出す手立ては微に入り細を穿つ。青き海に華やかなマダイが舞い躍る。
■放送日 2023年4月2日
■タックル
竿:真鯛専用竿(オリジナル)2m85cm
リール:中型電動リール
道糸:PE 3号
上ハリス:フロロ 6号
下ハリス:フロロ 3号
ハリ:閂マダイX 9号
■取材協力 神奈川県真鶴 緑龍丸
四国最南端、土佐清水は春の陽気に包まれて…黒潮が日本で最初に接岸する海で釣り興じる。幕末の偉人、ジョン万次郎ゆかりの土地へ瀬戸内の讃岐から赴いたのは、自ら手掛けたグッズで旅やアウトドアの魅力を発信する藤田元樹さん。バスフィッシングからソルトゲームまでこなすマルチなアングラーがライトタックルを携えて土佐清水を釣り歩く。フットワーク軽やかに…春の釣りを気ままに楽しむとしよう。
■放送日 2023年3月26日
■タックル①
ロッド:キャスティングロッド M 7ft6in
リール:3000番スピニングリール
メインライン:PE 1号
リーダー:フロロ 20lb
ルアー:ポッパー 100mm
フック:ST-56 #2
タックル②
ロッド:キャスティングロッド M 9ft5in
リール:4000番スピニングリール
メインライン:PE 1.5号
リーダー:フロロ 20lb
タックル③
ロッド:キャスティングロッド MH 7ft7in
リール:小型両軸リール
メインライン:PE 1.5号
リーダー:フロロ 25lb
■取材協力 土佐清水市 西本渡船
冷涼なる湧水に恵まれた長閑な安曇野の管理池には孵化から育てられた元気な鱒たちが泳ぎ回る。冬の装いでエリアトラウトと遊ぶのは千藤卓さん。「釣りニンジャ」の異名を持つバスプロは神出鬼没。近年、管釣りの魅力を精力的に発信している。手軽でありながら、奥深き釣り…信州の清水に育つトラウトは迸る生命力に満ち満ちて…
■放送日 2023年3月19日
■タックル
ロッド:トラウトロッド ML 5.5ft
リール:2000番クラス スピニングリール
メインライン:ナイロン 0.4号
スナップ:耐力スナップ #000
ルアー:スプーン 1.5g
フック:SBL-27 #8
■取材協力 ハーブの里フィッシングエリア 日進市総合運動公園
愛媛の宇和海に浮かぶ横島。古のロマンを語る日振島と対をなす断崖の無人島は磯釣りの絶好ポイントとして、その名を馳せる。知略を巡らせ、潮流を読み解く。寒のメジナ=グレと対峙するのは重鎮、宮川明さん。数多の栄冠を手にしてきたフカセ釣りの使い手は齢73にして、円熟の極みへ。遡ること32年、グレ釣りトーナメントの五冠を達成。大会を総なめにしてきた名人は、今も磯釣り界の発展に尽力する日々を送っている。
タフなコンディションを楽しみ、孫と連れ立ち、宇和海の寒グレと遊ぶ。
■放送日 2023年3月12日
■タックル
竿:磯竿 1.2号 5m30cm
リール:2500番クラス スピニングリール
(レバーブレーキ付き)
道糸:ザイト・フラッシュRX 2号
ハリス:ザイト・磯フロロ 2号
ウキ:宮川ウキ ハード遠投0
ハリ:速攻グレ6号
■取材協力 はまざき渡船 影山渡船
豊かな自然を残す利根川水系、多様な生態系を内包する千葉県の北部、手賀沼には数多の魚が生息している。畔の管理池で元気に泳ぐのは奥深き和の釣りにおいて、悠久の浪漫を語りかけるタナゴ。こだわりの道具を使い、小さな体に大いなる魅力を秘めた魚と戯れる。糸を垂れ、静かに魚信を待つのは和竿職人、鴨下貴仁さん。1987年生まれの35歳…最年少の江戸和竿組合員として、日本の伝統工芸品を次世代に繋ぐべく日々、研鑽を積んでいる…屋号は竿貴(さおき)。
小さいことを貴ぶ江戸の粋。穏やかな冬の日、タナゴの躍動が和竿職人の感性と共鳴する。
■放送日 2023年2月26日
■タックル
竿:江戸和竿 2尺6寸
道糸:ナイロン 0.8号
ウキ:たなご親ウキ斜め通し
糸ウキ:たなご小丸目印
ハリ:魅玄タナゴ 新半月
一寸タナゴ 三腰
■釣り場 千葉県手賀沼 幸學の池
真冬の陽光降り注ぐ徳島県阿南の沖合は釣り日和。爆釣の予感に鼓動が高鳴なる。仕掛けに付けたアサリを躍らせ、エサ取り名人の異名を持つカワハギとの妙味極まる駆け引きを堪能する。挑むのは遠路遥々、神奈川県からやってきた平賀精一さん。相模の海で腕を磨き、競技会の上位に名を連ねる熱きカワハギフリークだ。知略を巡らせ、エサを掠め取る曲者と丁々発止。徳島阿南沖のポテンシャルは想像を遥かに超えていた。
■放送日 2023年2月19日
■タックル
竿:カワハギ専用竿 1.75m
リール:小型両軸リール
道糸:PE 0.6号
仕掛け:自作
3Dビーズハリス止
オモリ:ピカイチくん 30号
ハリ:誇高カワハギ早掛SP 7.5号
誇高カワハギ早掛 7号/8号
■撮影協力 徳島 水天丸
リアス式海岸が彩る三陸は眺望絶佳。岩手県釜石市唐丹町の沖合に船を浮かべ釣り興じる。冬晴れの1日。世界三大漁場の一つに数えられる豊饒の海で仕掛けに付けたエサを躍らせ誘う。ターゲットは海の底に潜む獰猛な肉食魚カレイ。凍てつく寒さをものともせず、平物に挑むのは菅原正さん。岩手県の一関在住、東北を代表する船釣り師だ。
時化に阻まれ、待たされた続けた2023年の初釣り。みちのくの旧正月を祝う、吉祥ナメタガレイを求めて…
■放送日 2023年2月12日
■タックル
竿:カレイ専用竿 1.65m
リール:小型両軸リール
道糸:PE 1.5号
オモリ:40号
仕掛け:剣剛トーナメント仕掛
ハリ:剣撃カレイ 14号/15号
■撮影協力 三陸釜石 豊海丸
磯釣り天国、四国にあって、釣り師に格別の恩恵をもたらしてくれる徳島県の津島。穏やかな冬の1日、波間に漂うウキを通して海の気配を探る。奥深きフカセ釣りで西日本においてグレと呼ばれるメジナと対峙するのは森井陽さん。地元徳島の磯で腕を磨き、2006年、徳島県釣連盟、第59代名人位を獲得したトップトーナメンターだ。舞台となる津島は先輩に付き添われ、初めて上がった磯。原点回帰…頂点を極めた名手の釣りが冴え渡る。冬晴れの空を映す紺碧の海で寒のグレに迫りゆく。
■放送日 2023年1月29日
■タックル
竿:磯竿 1.2号 5m
リール:3000番クラス スピニングリール(レバーブレーキ)
道糸:ナイロン 1.7号
ハリス:フロロ 1.5号
ウキ:円錐ウキ G3/G5
ハリ:速手グレ 5号/身軽グレ 6号
■撮影協力 第三 弘漁丸