
紺碧の空に一際映える群馬の名峰、赤城山。麓に横たわるカルデラ湖は結氷し、雪を乗せ、冬の風情を醸し出す。本州で氷上ワカサギ釣りが楽しめる希少なフィールドは凍てつく寒さ…防寒対策万全にオリジナルの仕掛けで可憐なワカサギに挑むのは松田克久さん。
鮎釣りの全国大会も制した歴戦の手練れは、卓越した見識をもって、独自の世界観を釣りに投影してきた。赤城大沼は経験値を積み上げるには、うってつけ。修練の場としてベテランのチャレンジングスピリットを刺激する。食い渋るワカサギと丁々発止。策を講じて口を使わせる。氷上に輝く銀鱗は…さも宝石の如し。
■タックル
穂先:29cm
リール:ワカサギ専用リール
道糸:PE 0.25号
オモリ:渋りワカサギオモリ 3g
自作仕掛け
幹糸:ザイト・フロロ鮎 0.2号
エダス:フロロ 0.2号 2.5cm
ハリ:金 タフ渋りワカサギ袖 1.5号
■撮影協力 バンディ塩原様
■放送日 2025年3月29日

春霞。明石海峡に面して横たわる淡路島の沖堤防で季節の移ろいを総身に浴びる。
伝統の釣り道具、播州えび箱を足元に置き、春告魚メバルを誘う。水面に漂うウキに集中しアタリを待つのは兵庫県西宮市に暮らす垣田恭兵さん。持って生まれた屈強な体躯を活かし、柔道家として大成。数々の栄冠を手にしてきた。引退する前年、2021年全日本柔道選手権大会において第3位となり有終の美を飾る。幼い頃から父親に手を引かれ、釣りに親しんだ。親子が紡いだ思い出の片隅には、播州えび箱が…
柔の道を邁進する心優しきアスリート。虜になった興趣あふれる釣り。まやかしなき心技体、ウキを通じて魚と語らう。
■タックル
竿:延べ竿(硬調硬)6m
道糸:ナイロン 2号
ハリス:ナイロン 1.5号
ハリ:極メバル 9号
■撮影協力 淡路島渡船様
■放送日 2025年3月22日

沖縄を際立たせる鮮やかなエメラルドグリーンの海。世界にも稀有な美ら海の豊満は、淡水と混じる汽水エリアにおいても濃密に享受できる。南洋のカラフルな魚と遊べる釣りの好フィールド。時に姿を見せる、息を飲む大物に思いを馳せるのは沖縄本島、中頭郡に暮らす宮城梓さん。メディアを通じて琉球の魅力を精力的に発信している。魚種、サイズ、メソッドに拘ることなくショアからオフショアまで、多様な釣りをこなすオールラウンダーだ。フットワーク軽やかに水辺を巡る。朗らかなウチナンチュの釣りは仄として清々しい。
■タックル
ロッド:ライトゲーム用ロッド 6ft8in
リール:小型スピニングリール
メインライン:PE 0.3号
リーダー:フロロ 1.75号
ルアー:バイブレーション 45mm
フック:S-75M #4
■撮影場所 沖縄本島 国場川・中山海岸・石川川
■放送日 2025年3月15日

沖縄本島から西に58キロ。慶良間諸島の北方、東シナ海に浮かぶ渡名喜島。悠久の時が刻んだ要塞の如き岩場に陣取り、南洋の大物と対峙する。自ら考案した全遊動のウキ仕掛け「するするスルルー」でモンスターに挑むのはウチナンチュ、与那嶺功さん。
「キビナゴ=スルルー」をエサにした磯釣り。研鑽を重ねること20有余年。パイオニアが魅せる、その比類なき醍醐味を…
■タックル
竿:するするスルルー専用竿 5m
リール:大型スピニングリール
道糸:ナイロン10号 200m
ハリス:フロロ 18号
ウキ:するするスルルー専用ウキ 50π
ハリ:サザンバトル ケイムラ 19号
■撮影協力 丸沖つりぐ様
■放送日 2025年3月8日

紺碧の海と打ち寄せる波に刻まれた海岸線が絶妙なハーモニーを奏でる…岩手は大船渡・末崎半島。1億3000万年前の地層の隆起が織りなす奇岩、「穴通磯」は雄々しく悠久の浪漫を語りかけてくる。風光明媚な沿岸は東北の多彩な魚が狙える、比類なき釣りの好フィールド。大寒の頃、ワームを躍らせ、根魚アイナメの強烈な引き味を待ち受けるのは三陸・越喜来湾の崎浜に暮らす中嶋將太さん。サラリーマンと遊漁船船長の二足の草鞋を履く漁師一家の長男だ。シーズンも終わりに近づきつつあるアイナメ釣り。その居所を親子タッグで探る。凍てつくタフコンディションを耐え凌ぎ…ついに…
■タックル①
ロッド:バスロッド 7ft4in
リール:小型両軸リール
メインライン:PE 1.5号
リーダー:フロロ 16lb
ジグヘッド:静ヘッド 30g
ワーム:ジャスターシャッド4.2
ブレード:一手シャフトブレード L
タックル②
ロッド:ライトロックロッド 8ft3in
リール:小型スピニングリール
メインライン:PE 0.8号/リーダー:フロロ 12lb
ワーム:ジャスターホッグ3.3
フック:ツイストロックジョインテッドキーパー 1/0
■撮影場所 岩手県三陸 大船渡沖
■放送日 2025年3月1日

霊峰富士を望む静岡県の清水。東海道五十三次、一八番目の宿場「江尻宿」は時を経た今も、そこはかとなき旅情を掻き立てる。江戸の頃より、天然の良港として栄えた海に小舟を浮かべ、拘りの団子でノッコミの黒鯛=チヌを誘う。短尺の竿を操り、かかり釣りの妙味を披露するのは、四国徳島に暮らす正木義則さん。「サムライマサキ」の異名を取るレジェンドは古希を迎えて尚、意気盛ん。後進の育成にも余念がない。電光石火のアワセ…鋒鋭し、武士(もののふ)の釣りなり…
■タックル
竿:チヌかかり釣り専用竿 1m58cm
リール:下向き片軸リール 65
道糸:フロロ 2号(通し)
ハリ:ウルトラ競技チヌ 4号
■撮影協力 原金つり船様
■放送日 2025年2月22日

吉野熊野国立公園に属する雄々しきリアス海岸で縁取られた海辺の街、南紀串本。本州最南端、黒潮の恩恵を享受する沖合に近年、キハダマグロの回遊が頻繁に目撃されるようになった。南紀と言えど、遠洋まで船を出さねば叶わぬ大物ハンティングが、近海で手軽に楽しめるとあって、この冬、串本界隈は俄かに沸騰の気配を見せている。60キロを優に超え、「串モン」と呼ばれるキハダマグロと対峙するのは和歌山県田辺市の大手釣り具店で働く雛倉逸人さん。紀州の海釣りを知り尽くす歴戦の手練れだ。撒き餌を潮流に乗せ、ターゲットの狩猟本能を刺激する。大いなる可能性を秘めた黒潮疾る海で…比類なき、その醍醐味を…
■タックル
竿:キハダ専用竿 1m70cm
リール:大型電動リール
道糸:PE 8号 300m
ハリス:フロロ 28号 100m
ハリ:プロトフック 30号
■撮影協力 かわばた渡船様
■放送日 2025年2月15日

和歌山のランドマーク、マリーナシティを対岸に望む和歌浦湾の懐深くに抱かれた長閑な港町、塩津。心地良い朝の陽射しを総身に浴びて釣りに没頭する。ターゲットはアングラーの遊び心を刺激するマアジ。真冬のライトゲームに興じるのは阪南を拠点に活動する武田栄さん。自ら手がけるフィッシングギヤブランドを通じ、釣りの楽しみ方を追求している。ドラマーの顔も持つ、浪速では、ちょいと名の知れた存在だ。指あき手袋で感覚研ぎ澄まし、小さなアタリを待ち受ける。日がな一日、寒さも忘れ…自由気ままな趣味人の釣りを…
■タックル
ロッド:ライトゲームロッド 6ft
リール:2000番クラス スピニングリール
メインライン:PE 0.15号
リーダー:フロロ 4lb
ジグヘッド:湾岸プロヘッド 1.5g
ワーム:ドロメシャッドM 2.5inch ケイムラ
■撮影場所 和歌山 塩津漁港/大阪 阪南エリア
■放送日 2025年2月8日

山梨県の南東部、霊峰富士の麓に横たわる山中湖は四季折々、多様性に富んだ豊かな表情を見せてくれる。寒風吹き荒ぶ頃…分厚いジャケットを脱ぎ、ヌクヌクの船内で可憐な銀鱗を追う。真冬のワカサギ釣りに挑む藤田さいきさんはJLPGAツアーに参戦する歴戦のプロゴルファー。2006年に初優勝。長きに亘り、安定した成績を積み重ね数々の栄冠を手にしてきた。出場試合数587。昨年の賞金ランキングは10位。現役バリバリのトッププロは今、遠征先にタックルを持って行く程、釣りにどっぷりハマっている。ワカサギは初めてのターゲットながら…勝負師の感性鋭く…気軽で楽しさに満ちた冬の風物詩を堪能する。
■タックル
穂先:金属先調子 34cm
リール:ワカサギ専用電動リール
道糸:PE 0.15号
オモリ:時短スリムワカサギオモリ 8g
仕掛け:時短ワカサギ7本 1号
時短誘々ワカサギ6本 1号
■撮影協力 つちやボート様
■放送日 2025年2月1日